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📘 広告運用の基礎

広告アカウントの構成と設計

キャンペーン・広告グループ・広告の階層構造と、効果的なアカウント設計の考え方を解説します。

この記事のポイント

  • 広告アカウントは「アカウント→キャンペーン→広告グループ→広告」の階層構造で管理される
  • キャンペーンで予算と配信方針を決め、広告グループでターゲティングとキーワードをまとめる
  • Hagakure構成は広告グループを集約してデータを集め、機械学習の精度を高める設計思想
  • MUGEN・P-MAXなど最新手法ではAIに十分なデータを渡して最適化を促す流れが主流
  • ビジネス目標に応じてシンプルな構成から始め、データに基づいて段階的に調整する

広告アカウントの階層構造を理解しよう

Web広告のアカウントは「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」「広告(クリエイティブ)」という階層構造で管理されます。アカウントは最上位の管理単位で、企業や部署ごとに作成します。その中にキャンペーンを複数作成し、各キャンペーンの中に広告グループを設置し、広告グループの中に実際の広告を入稿するという流れです。

この階層構造を正しく理解することが、効率的な広告運用の第一歩です。たとえば、予算は主にキャンペーン単位で設定し、ターゲティングは広告グループ単位で設定する媒体が多いため、階層ごとの役割を把握しておけば、管理画面の操作もスムーズになります。

キャンペーン・広告グループ・広告それぞれの役割

キャンペーンは、予算管理と配信方針を決める単位です。「月間予算10万円で検索広告を配信する」「認知拡大目的でディスプレイ広告を出す」といった大きな方針をキャンペーンで分けます。配信スケジュールや入札戦略もキャンペーン単位で設定します。

広告グループは、キーワードやターゲティング条件をまとめる単位です。同じ広告グループ内のキーワードには同じ広告が表示されるため、テーマが近いキーワードをグルーピングします。そして広告はユーザーに実際に表示されるテキストやバナーです。1つの広告グループに複数パターンの広告を入稿し、成果の良い広告を見極めるのが運用の基本です。

Google広告とYahoo!広告のアカウント構成の違い

Google広告とYahoo!広告(Yahoo!検索広告・Yahoo!ディスプレイ広告)は基本的な階層構造が似ていますが、名称や仕様に違いがあります。Google広告では「キャンペーン → 広告グループ → 広告・キーワード」という構成で、レスポンシブ検索広告により複数の見出しと説明文を登録するとAIが最適な組み合わせを自動生成します。

Yahoo!検索広告でも同様に「キャンペーン → 広告グループ → キーワード・広告」の構成ですが、入札戦略の選択肢や拡張機能の仕様がGoogle広告とは異なります。両媒体を併用する場合は、それぞれの仕様差を理解したうえで、なるべく構成を統一して管理コストを下げる工夫が求められます。

Hagakure構成の考え方

Hagakure(はがくれ)は、Googleが推奨するアカウント構成の設計思想です。従来は「1広告グループ1キーワード」のように細かく分ける構成が主流でしたが、Hagakureでは広告グループをできるだけ集約し、1つの広告グループに関連性の高いキーワードをまとめることで、データを集約して機械学習の精度を高めるという考え方をとります。

具体的には、同じランディングページに誘導するキーワードは同じ広告グループにまとめ、広告グループ数を最小限に抑えます。これにより各広告グループに十分なインプレッションとクリックデータが蓄積され、自動入札のパフォーマンスが向上します。アカウント構成がシンプルになるため、運用管理の工数削減にもつながります。

MUGEN・GORIN構成と最新の設計トレンド

Hagakureをさらに発展させた設計思想として「GORIN(ゴリン)」や「MUGEN(ムゲン)」があります。GORINはHagakureのシンプルな構成をベースに、レスポンシブ検索広告の活用と適切な入札戦略の組み合わせを重視する考え方です。MUGENはさらに進んで、動的検索広告(DSA)やカスタムインテント、データフィードを活用してユーザーの多様な検索意図を網羅的にカバーする手法です。

近年はP-MAXキャンペーンのように、Google AIが検索・ディスプレイ・YouTube・Discoverなど全配信面を横断的に最適化するプロダクトも登場しています。キャンペーン構成を細かく分けるよりも、AIに十分なデータとシグナルを渡すことが重要視される流れにあります。ただし、AIに任せきりではなく成果を正しく検証する人間の判断力は変わらず求められます。

実務で使えるアカウント設計のポイント

実務でアカウントを設計する際は、まずビジネスの目標と商材の特性を整理しましょう。たとえば、商材カテゴリが複数あるECサイトなら「カテゴリごとにキャンペーンを分け、各カテゴリ内の商品群を広告グループで分類する」構成が管理しやすいです。一方、BtoBでリード獲得が目的なら「指名キーワードと一般キーワードでキャンペーンを分ける」構成がよく使われます。

設計時に意識すべきは、「予算管理のしやすさ」「成果分析の粒度」「機械学習に必要なデータ量」のバランスです。分けすぎるとデータが分散し機械学習の精度が落ち、まとめすぎると予算配分や成果の把握が難しくなります。最初はシンプルな構成で始め、データが溜まってきたら必要に応じて分割・統合するアプローチが失敗しにくい方法です。