この記事のポイント
- ✓アトリビューションとは、コンバージョン経路上の各接触ポイントに貢献度を割り当てる分析手法である
- ✓ラストクリックモデルは分かりやすいが、認知段階の広告を過小評価するリスクがある
- ✓データドリブンアトリビューション(DDA)は機械学習により実データに基づいた貢献度を算出する
- ✓GA4のアトリビューションレポートで複数モデルの比較やコンバージョン経路の分析が可能
- ✓分析結果をもとに予算配分を段階的に最適化し、全体成果の向上を目指す
アトリビューションとは
アトリビューションとは、コンバージョンに至るまでにユーザーが接触した複数の広告やチャネルに対して、それぞれの貢献度を割り当てる分析手法です。現代のユーザーは、検索広告をクリックし、その後SNS広告を見て、最終的にリターゲティング広告から購入するといった複雑な経路をたどります。
アトリビューション分析を行うことで、各広告チャネルが果たしている役割を正しく評価できます。最後にクリックされた広告だけを評価するのではなく、認知段階で接触した広告の価値も把握できるため、予算配分の精度が大きく向上します。
ラストクリックモデル
ラストクリックモデルは、コンバージョン直前に最後にクリックされた広告にすべての貢献度(100%)を割り当てるモデルです。最もシンプルで理解しやすく、多くの広告プラットフォームでデフォルトの計測モデルとして採用されています。
このモデルのメリットは、計測が明確で分かりやすいことです。一方で、認知段階や比較検討段階で貢献した広告の価値が無視されるというデメリットがあります。たとえば、最初にディスプレイ広告で商品を知り、検索広告で詳しく調べ、リターゲティング広告で購入したケースでは、リターゲティング広告だけが評価されてしまいます。
ファーストクリック・線形・減衰モデル
ファーストクリックモデルは、ラストクリックとは逆に、最初に接触した広告に100%の貢献度を割り当てます。新規顧客の獲得経路を把握したい場合に有効ですが、購入を後押しした広告の評価が軽視される傾向があります。
線形モデルは、コンバージョン経路上のすべての接触ポイントに均等に貢献度を配分します。たとえば4つの広告に接触した場合、各広告に25%ずつ割り当てます。偏りのない評価が可能ですが、実際には各接触の重要度は異なるため精度に限界があります。減衰モデルは、コンバージョンに近い接触ほど高い貢献度を割り当てます。時間経過を考慮した現実的な評価ができるモデルです。
データドリブンアトリビューション(DDA)
データドリブンアトリビューション(DDA)は、機械学習を用いて実際のコンバージョンデータから各接触ポイントの貢献度を自動算出するモデルです。Google広告では現在、DDAがデフォルトのアトリビューションモデルとして設定されています。
DDAの最大の特徴は、ルールベースのモデルとは異なり、実際のデータに基づいて貢献度を計算する点です。十分なコンバージョンデータが蓄積されていれば、最も正確に各広告の価値を評価できます。ただし、データ量が少ない場合は精度が下がるため、一定以上のコンバージョン数が必要です。
GA4でのアトリビューション分析
GA4にはアトリビューション分析機能が標準で搭載されています。「広告」メニュー内の「アトリビューション」セクションから、コンバージョン経路やモデル比較レポートを確認できます。モデル比較レポートでは、異なるアトリビューションモデルを並べて各チャネルの評価の違いを比較できます。
また、GA4の「コンバージョン経路」レポートでは、ユーザーがコンバージョンに至るまでにどのチャネルにどの順番で接触したかを視覚的に確認できます。これにより、オーガニック検索、有料検索、SNS、ディスプレイ広告といったチャネル間の連携効果を把握できます。
アトリビューション分析を活用した予算最適化
アトリビューション分析の最終的な目的は、広告予算の配分を最適化することです。ラストクリックモデルだけで評価すると、認知拡大に貢献しているディスプレイ広告やSNS広告の予算を削ってしまいがちです。しかし、それらの広告がなければ検索広告やリターゲティング広告の成果も落ちる可能性があります。
実務では、まずラストクリックモデルとDDAの数値を比較し、大きく乖離しているチャネルに注目しましょう。DDAで貢献度が高く評価されているチャネルは、間接的な効果が大きい可能性があります。段階的に予算を調整しながら、全体のコンバージョン数やCPAの変化を確認することが大切です。